こんにちは。
ピアノのささっきーです。
今日は、『暗譜』についてお話ししたいと思います。
暗譜(あんぷ)とは、演奏するときに楽譜を見ずに演奏することを言います。
演奏をなさる方はすでにお分かりかと思いますが、コンサートを聴きに行くと、楽譜を開いて見ながら演奏される方と、楽譜を見ないで演奏する方がいらっしゃいますね。
楽譜を見ずに演奏されている方は、「暗譜で演奏」しているということになります。
ピアノはなぜか暗譜が常識になっている
演奏会や発表会では、暗譜で演奏しななければいけないの?
ということですが、私は基本的にどちらでも良いと考えています。
暗譜の有無は楽器によっても異なるように見受けられていて、例えば弦楽器や管楽器奏者はご自分のリサイタルでも楽譜を見ながら演奏していたりします。
それに違和感を持たないのに対して、ピアノはなぜか「暗譜で弾かないといけない」感が強いです。
最近に作曲された新しい曲や、委嘱作品(ご自分で作曲家に依頼し、その日のために曲を書き下ろしてもらうこと)でもない限り、楽譜を開いてリサイタルをすると「暗譜じゃないんだ?」みたいにネガティブにとらえられることがあります。
なぜなんでしょう。
暗譜で人前で演奏する。これだけでプレッシャーは何倍にもなる
人前で弾くと緊張する。
これは演奏をなさる方々の最大のテーマなのではないかと思います。
誰でも人前に出て演奏する時は、多かれ少なかれ緊張します。
そのなかに「暗譜である」ということに対しての緊張は必ず含まれているような気がします。
暗譜でなかったら・・・
緊張も半減するかもしれない。
音をしっかり覚えていたはずなのに、緊張したが故に真っ白になってしまう。
一瞬怖さがよぎることもある。
楽譜を見て良いのなら、真っ白になっても冷静に演奏できるはず。
また、逆に、
暗譜をするくらい練習できていれば、自分の身体にその曲がしっかり染み込んでいるはず。
楽譜を見て弾くと、音楽的に没頭できていない冷めた演奏になるかも
このようなことを考えることもあります。
ピアノだけなぜ、暗譜が常識的になっているのか。
いろんな説があるようですが、私が考えているのは
が影響していたりするのかなということです。
暗譜ができないときは
さて、ピアノにおける暗譜。
ピアノは声部(音数)が多いので覚えるのは大変なのかもしれません。
私がやっている暗譜練習の仕方ですが、
視覚、触覚のいずれかを強調して練習してみると効果がありそうです。
これは部分部分を取りだしての練習なので、最初から最後まで全く覚えていないという時はあまり向かないかもしれません。
①触覚
目をつぶって弾いてみます。
手が触っている鍵盤の感覚を意識します。
手の開き方や、運指を手の感覚で確認するようにします。
②視覚
今度は、真逆のことをします。
鍵盤をじっと見て弾きます。
自分の手の動きを視覚的に目に焼き付けるような感じです。
暗譜は身体でも覚えていきますので、80%くらい覚えた時は、なんとなく自然と手が動いてしまうという状態になっているのですが、その状態の時にふと鍵盤だけを見て弾くと、何をやってるのかわからなくなったりして迷ってしまいます。
これらの練習を部分部分で行っていくと覚えていけたりします。
私はやったことありませんが、写譜(覚えられない部分の楽譜を自分で書く)をなさる方もいるそうです。
暗譜での演奏は大変ですが、気持ちが乗った時に良い演奏ができるのは暗譜の時のような気がします。
暗譜で尚且つ人前で演奏する時は、自分のテンション、コンディションを最高潮にもっていける訓練も必要ですね。
そのお話はまたいつかしたいと思います。