こんにちは。
ピアノのささっきーです!
私たち夫婦はともに音楽家ですが、練習する場所と住む場所が異なります。
練習する場所は、『教室』として普段レッスンをしている防音室の部屋で、住む場所は音出し不可のマンションです。
以前、夫が記事にしてくれましたが、私は結婚するまでは自宅にピアノがあり、
『普段の生活の中にピアノの練習があるのではなくて、ピアノの練習の中に普段の生活がある』
生き方をしていましたので、
いつからいつまでが練習時間
という風に区切って考えることができなかったんです。
ですので、結婚するときにピアノが家にないということがとても不安でした。
その生活になってからは、ガラッとスタイルが変わりました。
自宅から練習できる部屋までは、電車で2駅乗らなければならず、車で向かっても15分くらいかかるところにあり、この15分が当時の私にとって大きな壁のようなものとなりました。
以前は、目覚めて、そのままボサっとした顔や頭のまま練習に向かっていて、それが自分にとって最高の時間だと思っていました。
いまは練習室に向かうために服を着替え、歯を磨き、顔を洗わなければならない。たいてい練習後に仕事という流れだから、化粧もしていかなければならない。
そこまで準備してしまうと仕事モードに切り替わってしまい、練習に身が入らないと勝手に思っていました。
↑当時の個人ブログです。
そこから8年。
今、私は練習場所と自宅が異なることを、
心から良かったと思っています。
私は、ピアノの練習が煮詰まってくると、知らず知らずの間にその時練習している曲のことをずっと考え込んでしまっていたり、上手くいかない日にはイライラして過ごしたりしていました。
ピアノが常に見える場所にある(自宅にある)と、調子よく練習できている時は良いのですが、いつもそうとは限りませんのでそのモヤモヤを抱えたまま家で過ごしてしまいます。
夫がヴァイオリンのことでイライラしている風景を見たことはありませんが、例えばもし自宅の中に練習室がありいつでも練習できる状態だったら、お互い練習の気持ちの波をそのまま家に持ち込んでいたかもしれません。
・・・いやいや、そんなのはもしかして私だけかもしれませんが、それでも迷惑をかけてしまいますよね。同業者だけにキツいと思います。
私は結婚後も、変わらずピアノのことで悩んだり落ち込んだりしていますが、練習を終えて部屋を出て鍵を閉めた瞬間、気持ちが切り替わるようになりました。
そして自宅は全く別空間ですので、ストレスを持ち込まなくなりました。
この気持ちの切り替えがとても精神的に良いように思います。
昔は、
悩むならとことん悩んで、24時間そのことを考え続けなければいけない!
と、それが美学のように考えていましたが、最近ではその必要はないのではないかと思っています。
一旦自宅で気持ちをリセットし、翌日新たな気持ちで練習に向き合うことで、新しいアイディアが生まれることも多々あります。
今の私には、そのスタイルが最も合っていると思います。
今日までの8年の間に、練習室のそば(例えば歩いてすぐとか目の前など)に引っ越そうかとか、頑張って自宅に防音室を入れられるような形を考えようかとか話していたこともありましたが、住んでいる今の街や家がとても気に入っているのでしばらくこの形を続けることになりそうです。
今は自粛なので、練習室まで歩いたりしてとても楽しい時間を過ごしています。
練習時間はじょうずに生み出せばなんとかなるものですね。
なんだか結論のない話となりましたが・・・
今後も、『表には見えない音楽家事情シリーズ』などを書いていこうかなと思います。
それでは、また!
#ピアノ
#練習