こんにちは。
ヴァイオリンのささっきーです。
今日は
【大人から始めるのは遅い?】
にというテーマについて、お話していきます。
今日のテーマ
大人から始めるのは遅い?
僕のところには、大人になってから始めて
「全然上手くならない気がする」
「何年も同じところでつまずいてる」
といった相談が本当に多く届きます。
音が良くならない。
移弦がずっと苦手。
スラーになると途端にわけわからなくなる。
弓が真っ直ぐ動いてる気がしない……。
という形で、悩みのタネは分かっているのに、皆さん
「音が良くならない原因は練習不足」
「移弦が苦手な原因は練習不足」
「スラーになるとテンパる原因は練習不足」
「弓が真っ直ぐにならない原因は練習不足」
このように原因は、練習不足で片付けていませんか?
練習は上手くなる手段の1つで原因ではありません。
後は、練習しながらもどこか心の中で
「大人になってから始めたから子どもより不利では?」
と不安を抱えがちです。
しかし実際には
大人だからこそ理解力もあり、練習の質を上げやすいという大きな強みがあります。
前述した様に上手く弾けないのは、様々な要因が重なって弾けない事もありますが、大人だからこその強みを活かせる様に、今回は大人から始めた方にとって、上達の邪魔をしている事について、大人の方に多い傾向3点お伝えしていきます。
【すぐに脱力をしてしまう】
まず一つ目は脱力をしてしまう事ですね。
「ヴァイオリンって、最も大事なのは脱力じゃないの?」
と思う方もいると思います。
間違いなく《脱力》は、とても大事な事の一つですが、初心者の段階からやると上手くなりません。
初心者がする脱力と上級者の脱力は、全く別物だからです。
初心者の方の脱力は、全身の力を抜こうとしてしまっている状態で、むしろいらない所の力は残っていたりします。
そして初心者の状態で脱力しようとしている方の多くは、音がスカスカです。
そいういう方は
【脱力=優しく弾く】
という勘違いをしています。
一方で上級者の脱力は、上手く右腕の重さをヴァイオリンにのせる事が出来ますし、指先もクッションの役割になってます。
左手も指先には瞬発力が備わっているので、握り込む事もなく軽く指を押さえるだけで良いんですね。
結果、力を抜くというより、余計な力を使わずに演奏しているという状態です。
ですので、個人個人の感覚的な差や程度問題はありますが、初心者の方はむしろ力を使わないと音がしっかり出ないですし、弓の持ち方や左手の形もままならなくなります。
なので、最初から上手い方の演奏をマネたりしようとせずに、力を使う事を許容して弓の持ち方や左手の形をしっかりと作る事にリソースを使ってあげてください。
よく弓は弦に吸い付くようにという表現がありますが、まず初心者の方は弓が弦にしっかりと食い付いている状態を作ってください。
【肩が力んで張ってしまっている】
次は肩がガチガチに固まってしまうこと。
こちらは先程の脱力をしないという事と矛盾しそうですが、まずは始めたばかりの頃は肩に力が入っていても仕方ないと思います。
ただし動きを止めてしまってはいけないという事です。
この動きを止めてしまっているという事はどういう事かというと、純粋に力が入り過ぎてしまっていて、腕自体が固まって肘裏と手首が動いていない状態です。
弓を動かす動作の一つにまず最初は肘裏を動かさなければいけないのですが、肩にガチガチに力が入っていると腕自体が動いてしまって、肘が外側に動いてしまって弓がまっすぐの軌道になりません。
また前述した
【脱力=優しく弾く】
という演奏をしている方も、肩に力が入っている方がいらっしゃいます。
こちらは
・音が細い
・弓が震える
・移弦のたびに変なノイズが出る
上記の症状がある方は、ビンゴの可能性があります。
こちらの解決方法としては
いきなり肩の力を抜けといっても、難しい場合もあるので、第一歩としてボウイング中、肘裏がしっかり動いているか弓がまっすぐの軌道を描いているかをチェックする事です。
力が入っていても動きを作る事は出来るので、そこから練習してください。
【頭の理解と身体の動きに差がある】
そして、大人の方に圧倒的に多いのがこれ。
「頭では分かってるのに、身体がまったくついてこない」問題。
これ、本当に多いんですよ。
大人は理解力が高いので、
説明を聞くと “なるほど、そういう仕組みなのか!” とすぐ理解します。
でも──
理解した瞬間にできるようにはならない。
ここが子供と違う大きなポイントです。
子どもは
「よくわからないけど、とりあえず言われた通り動く」
という能力があります。
その“身体の素直さ”のおかげで、技術が早く身につくことが多いんですね。
一方で大人は、
・動きを「理解」しようとしすぎる
・考えすぎて身体が固まる
・分析はできるけど再現ができない
・正解が分かっているのに実行するとぎこちない
こういう状態に陥りがちです。
例えば、
「弓は真っ直ぐに」
「肩は動かさずに」
「脱力しすぎないように」
全部理解できているのに、いざ弾こうとすると身体が別の動きをする。
脳内のイメージと身体の再現速度に “タイムラグ” があるイメージですね。
これ、ダメなわけではありません。
むしろ 大人の学びは、“脳→身体” のラグを埋めていく作業 なんです。
ポイントは2つ。
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① 動画を撮って“自分の動き”と“頭のイメージ”を一致させる
大人は「できているつもり」と「実際の動き」がズレていることが多いです。
動画で客観視するだけで、めちゃくちゃ気付きがあります。
鏡でチェックするのもありです。
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② すぐに正解を求めず「正解の方向に近づく練習」をする
大人の強みは
“論理的に改善できること”。
でも弱みは
“すぐに100%を求めすぎること”。
例えば、脱力1つとっても、
「手首が少し柔らかくなった」
それだけで大きな前進です。
身体の学習は “段階” なので、
頭で理解 → 微調整 → なじむ → 次の段階
というふうに進めていけば、確実に上達します。
⸻
つまり大人に必要なのは…
理解しながら“できない時間”も許容すること。
このかみ合わない期間こそ、上達の前兆です。
子どもよりも成長速度はゆっくりに見えるかもしれませんが、一度つかんだら大人の方が安定しやすいという強みがあります。
だから焦らず、
“頭と身体の距離” をひとつずつ縮めていけば大丈夫です。
という感じで、今回は以上になりますが、僕自身、大人になってから弾き方に相当悩んだ時期があったので、満足に弾けない苦しみはめちゃくちゃ分かります。
弾けないとか弾きづらい原因は、大体一つではなく複合的な物で、今回のお話が個人個人にとって全てではないですが、大人になってからも楽しめる演奏が出来る第一歩として捉えてもらえれば嬉しいです。
動画の方でも解説してますので、是非ご覧になってみてください。
【ヴァイオリン】大人から始めるのは遅い?の真実
https://youtu.be/giFk9vI5Pu8
それではまた!!
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